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食道がん(食道扁平上皮がん)

esophageal-cancer

食道がんはアジア、南米で頻度が高く、喫煙と飲酒をともに行うことが最大の危険因子となります。アルコールを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の活性が低い人は飲酒により顔が赤くなりますが、体にアルデヒドが残るためです。このアルデヒドが食道がんの発症に関係していると報告されています。初期には無症状ですが、進行すると食べたものが胸につかえるなどの症状が出現します。また咽頭がんなどの頭頸部がんを併発することがあります。診断には内視鏡検査が重要で、生検により病理診断が行われます。画像検査として、超音波検査、CT、MRI、PETなどが行われます。治療は進行度によって、手術、放射線療法、化学療法が選択され、免疫チェックポイント阻害薬も使用されることがあります。食道がんは進行すると他のがんに比べて予後はあまり良くありません。発症予防には禁酒と禁煙が大切です。

食道は口腔の先にある咽頭と胃をつなぐ臓器で、頸部食道、胸部食道、腹部食道に分けられます。食道がんはこの食道の内面にある粘膜から発生するがんです。食道の粘膜は主に扁平上皮細胞という細胞で構成されています。日本人では胸部食道が食道がんの好発部位なのです。またほとんどの食道がんは扁平上皮がんです。食道の周りにはリンパ管や血管が豊富であり、また心臓、肺、大動脈などの臓器に取り囲まれています。食道がんが進行するとリンパ管を通して頸部のリンパ節に転移したり、血液にのって肺、肝臓などに遠隔転移したりします。また局所で浸潤する場合は、上記の重要な臓器の機能を障害することになります。食道がんは日本を含めたアジア、南米に頻度が高く、日本における食道がんの罹患率は1年間に人口10万人あたり男性で約30人程度、女性で7人程度とされています。罹患率は50歳代以降で増加して行きます。また食道がんは咽頭がんなどの頭頸部がんを併発することがしばしばあります。

食道がん(食道扁平上皮がん)

​東京大学名誉教授 山下直秀

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