「ぽっこりお腹」侮るべからず

「最近、お腹まわり太ったかも…?」
お腹にお肉がついてくると、鏡に映った自分を見るのが嫌になりますよね。その状態、予防医学の目線から見ると、ちょっと気をつけたほうがいいかもしれません。実は、お腹まわりが太い(腹部肥満)は心臓病のリスクを大幅に高めることが、研究により明らかとなっているんです。
腹部肥満とは、お腹周りに過剰な脂肪が蓄積している状態のことで、ある程度内臓脂肪を反映していると考えられています。一般的に、ウエストサイズが男性で85cm以上、女性で90cm以上ある場合に腹部肥満とされます。またウエストとヒップの比率を計算することでも簡易的に確認することができます。ウエストとヒップの比率が男性で0.90、女性で0.85以上の場合、腹部肥満の可能性があります。腹部肥満は、体重増加とは異なり注意が必要。多くの健康問題を引き起こす可能性があるのです。その一つが今回紹介する心臓病です。
ヨーロッパで行われた研究をご紹介します。45歳から79歳の男性9,580人、女性12,250人を対象とした研究です。男性で腹部肥満がある人は、そうでない人よりも、冠状動脈性心疾患(狭心症や心筋梗塞)になるリスクが2.66倍高いことがわかりました。
また運動するかどうかに関わらず、ウエスト周りが大きい人ほど、血圧が高くなる傾向にあることもわかりました。血圧が高い状態も、冠状動脈性心疾患のリスクに繋がってきます。
冠状動脈性心疾患とは、心臓に酸素や栄養を与えている血管が詰まってしまう病気のこと。「狭心症」や「心筋梗塞」という病気の名前を、一度は聞いたことがあるかと思います。これらの病気が起こると心臓を動かす心筋に血液を送れなくなってしまうので、命に関わることも少なくありません。
このような病気を防ぐためにも、腹部肥満を予防することが大切です。そのためには健康的な生活習慣を心がけることが一番。①野菜や果物をたくさん食べる ②スナック菓子や清涼飲料水を避ける ③定期的な運動を心がける。このような習慣を身につけることで、内臓脂肪の蓄積を防ぎ、腹部肥満を予防することができるでしょう。
お腹周りの脂肪が健康に与える影響は無視できません。しかし、日々の生活習慣を見直すことで、そのリスクを大幅に減らすことができます。バランスの取れた食事、適度な運動を取り入れて、未来の健康を守りましょう。
参照:
J Hypertens. 2014 Nov;32(11):2224-30; discussion 2230.
八木裕太
村松正明

