やっぱりゼロがいいらしい

美味しい料理とそれに合うお酒の組み合わせは、悩みも吹き飛ぶくらい魅力的。酒は百薬の長なんて言って、ついつい飲みすぎてしまう人??はい、私です。最近は、飲まないよりも、“ほどほど”のお酒が体に良いのでは、という報告も。今回は、「結局、お酒って体に良いの?悪いの?どのくらい飲んだらダメなの?」という疑問にお答えする一報です。
この研究では、なんと世界中の592ものコホート研究から2800万人ものデータを集めて推計がなされました。期間は1999~2016年で、195カ国が対象です。計算したのは、主に飲酒が原因となった死亡(病気・事故ともに)と障害調整生存年(DALYs)※、そして、飲酒量別のDALYsの相対リスクです。お酒が好きな人にとっては、読むのに少し覚悟の要る話ですね。
ここでちょっと現実逃避。昔は肉が大好物でしたが、海の幸に嗜好が傾いてきたこのごろです。カツオにイワシ、アジ、サンマ、エビ、カニ、イクラ・・・どう料理しよう、どのお酒が合うかしら、と考えるだけで楽しい。さらにお酒は調理中も大活躍。臭みの下処理はもちろん、味のつなぎが欲しい、もうちょっと深みのある仕上がりに、なんて時にも欠かせないキッチンの重鎮です。
さて、空想を楽しんだあとは、しっかり現実を見ましょう。
2016年の死亡、そしてDALYsのリスク因子をランキングにすると、飲酒は第7位。これを15~49歳までに絞ると第1位になり、男性の死亡のうち約12%、女性では約4%が、飲酒が原因だと推計されました。そして、最も健康が害されない飲酒量は、「0」でした。
残念なことに、健康のためにはやっぱり飲まない方が良いようです。性別・社会的背景などの特性によっては、脳卒中や心疾患、糖尿病など、”ほどほど”の量だとリスクが低下しそうな病気はあるのですが、総合すると、飲まないのが一番リスクが低い、、、(がっくり)。横軸に飲酒量、縦軸に飲酒量0を基準にした相対リスクをとってグラフを描くと、ほぼ一直線の右肩上がり。これを見た飲兵衛は、ため息をついて両の肩をがっくり落としてしまったのでした。
※ 障害調整生存年(Disability-adjusted life-years):死だけでなく、病気によって発生した苦痛や障害も考慮した生存年数で新しい健康の指標です。
参照:
DOI: 10.1016/S0140-6736(18)31310-2
金原里恵子
村松正明

