精神的な負担で、子どもの肥満が増加?

肥満体型の人には、大人になって太ってしまった人と、子どもの頃からずっと肥満体型だったという人がいます。肥満は食事や運動だけが原因と思われがちですが、小学生の頃から肥満体型だった人の中には、実は精神面が影響していた人がいるかもしれません。
フィンランドで6~14歳の太っている225 人の女子と 282人の男子を6年間追跡調査したところ、より肥満傾向になるリスクは、女子の場合、離婚またはひとり親のグループはそうでないグループより2.29倍、男子の場合、いじめの経験があるグループは1.66倍、危機的状況(親の精神面やアルコール問題、家族の死亡、家庭内暴力など)の経験があるグループは2.4倍それぞれ高いことがわかりました。
肥満へは食事や運動などの生活習慣が大きく影響しているでしょう。ただしそれ以外にも、家庭や学校の環境、つまり精神的なストレスが影響している可能性もあるようです。
この研究では家庭環境や学校環境と、食事や運動量との関係性は調査されていません。しかし私たち大人は、ストレスを発散するために飲みに出かけたり、甘いスイーツを食べたり、休日は室内に引きこもり体を動かす機会が減ったりという人が多く、ストレスにより肥満に向かう行動をしがちかもしれません。
また体内でストレスホルモンともよばれるコルチゾールが分泌されることで、血糖値の上昇や代謝の低下が起こりやすく、肥満に影響することもわかっています。
大人同様、小学生であってもストレスが溜まることで、精神面にも身体面にも悪影響になるでしょう。太っている小学生には、食事内容に気を付けるだけでなく、精神的なストレスがかかりにくい環境を整えることも必要かもしれません。
私たち大人も健康維持、体型維持のために負担に感じる環境や状況を避けたり、趣味や運動などでリフレッシュしたりと、ストレスを溜めない暮らしを送りましょう。
参照:
DOI: 10.1016/j.pmedr.2020.101239
田口里奈
村松正明
