肥満リスクの低い性格とは…

肥満はあらゆる疾患の危険因子として知られています。
運動習慣のある人、健康的な食生活の人は一般的に肥満リスクが低いとされていますが、それ以外に「性格」によっても肥満リスクの低い人が存在するようです。
78,931人を対象にヨーロッパで行われた9つの追跡調査した研究をメタ解析したところ、5つの性格分類(外向性、神経症傾向、協調性、開放性、誠実性)のうち、誠実性の高いグループは、そうでないグループと比べて肥満になるリスクが16%低いことがわかりました。一方で、他の4つの性格と肥満との関係は明らかになりませんでした。
食生活の変化や運動量の減少などもあり、現在世界的にも肥満は問題視されています。肥満状態が続くと脂質異常症や糖尿病をはじめ、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などのリスク、さらに死亡リスクも上昇してしまいます。
肥満の解消には努力や時間、サポート体制なども必要とされます。また一時的に肥満から抜け出せても、リバウンドしてしまう場合も多くあるようです。
今回の研究で用いられた性格分類は「ビッグファイブ」とよばれるもので、性格は5つの因子によって構成されるという分類法です。それぞれの性格においてメリット、デメリットはありますが、今回の研究で肥満リスクが低かった誠実性は、「勤勉、計画的、責任感」が特徴で、セルフコントロール能力が高い性格といわれています。一方で、アドリブ力や行動力が低い傾向にあると考えられています。
また別の研究では、良心性を持つ性格の人は肥満リスクが低く、この性格の人は運動や健康的な食事、服薬順守、禁煙などの行動と関連性が見られる傾向にあったという報告もあります。
肥満と誠実性の直接的な関連はわかっていませんが、性格の特性が行動にも影響し、行動によって肥満リスクが低くなっている可能性が考えられます。
性格を変えることは難しいですが、日ごろから自己コントロールを行うこと、計画的に行動することで、肥満リスクが低くなる可能性が考えられます。肥満状態になってしまう前に、できることから始めましょう。
参照:
DOI: 10.1111/obr.12007
田口里奈
村松正明

