疾患と栄養の関係Ⅱ⑤ 食道がんとアブラナ科野菜

食道がんの中でも扁平上皮がんは日本人の食道がんの大半を占めています。上皮細胞ががん化して起こり、喫煙や飲酒との関連が強く、男性に多いことが特徴です。
野菜や果物を多く摂取するとがん予防の可能性があるといわれていますが、今回ご紹介するのは、日本で行われたアブラナ科の野菜の摂取量と食道がんとの関連を調べた前向きコホート研究です。男性38,790人を対象に食事に関するアンケート調査を行い、平均約8年追跡調査しました。その結果、アブラナ科の野菜を多く摂取するグループ(1日あたり平均81g)は、そうでないグループ(1日あたり19g)と比べて、食道扁平上皮がんになるリスクが43%低いことがわかりました。
野菜や果物の摂取量を増やすことが食道がんの予防につながるといったことが裏付けされた研究結果といえるでしょう。ただし、野菜を摂取量しても喫煙・飲酒をしては元も子もありません。まずは煙草やお酒を控えたうえで、毎日食べる野菜にアブラナ科の野菜を積極的にとり入れてみましょう。
ではアブラナ科の野菜って何?なぜがん予防に効果があるの?と思う方もいらっしゃるでしょう。アブラナ科の野菜にはブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、白菜、小松菜などがあり、スーパーではよく目にします。これらの野菜にはツンとした辛みやかおりのもとになっている「イソチアシアネート」という成分があります。イソチアシアネートって呪文のような言葉ですが、抗酸化作用があり、がん予防の効果を期待する研究報告が知られています
盛り付け方にもよりますが、小松菜をお浸しにすると小鉢2つ分ほどで80~100gが摂取できます。ブロッコリーだと小房5個で約80gです。
毎日の食事に取り入れるようにして健康維持を心がけましょう!
参照:
Int J Cancer. 2008 Oct 15;123(8):1935-40.
京極奈美
村松正明

