ポジティブ思考で、心疾患を予防

ポジティブ思考、ネガティブ思考など性格は人それぞれですが、精神的な違いによって身体的疾患の発症リスクに差がみられたという報告をご紹介します。
日本で40~69歳の男女88,175人を12年間追跡調査したところ、男性で人生を楽しんでいるという認識の低いグループは、楽しんでいる認識が高いグループよりも心血管疾患を発症するリスクが1.23倍、心血管疾患による死亡率が1.61倍それぞれ高いことがわかりました。一方、女性では有意な差はみられませんでした。
心血管疾患とは心臓や血管に起因する疾患の総称で、一般的な危険因子としては加齢に加え、肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病、喫煙などです。血管が詰まってしまったり、血液の流れが滞ったりすることで心臓に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなり発症します。初期症状は心臓の痛みや息切れ、動悸など違和感程度ですが、進行することで心筋梗塞や心不全など死のリスクにもつながる症状となります。
今回の研究では、人生を楽しむというポジティブさが心血管疾患のリスクを下げるという結果でした。
性格や意識と身体症状は一見無関係のように感じられますが、これまでにも、楽観主義の人は心疾患のリスクが低い、ポジティブな性格の人は脳卒中のリスクが低い、などの報告があります。
人生を楽しんでいるという認識と心血管疾患との詳しいメカニズムはわかりませんが、ストレスや心理状態が自律神経やホルモンバランスに影響し、疾患リスクにも影響を与えている可能性が考えられますし、ポジティブな人は健康意識が高いため運動量が多かったり、タバコを控えたりと健康的なライフスタイルであることも影響しているかもしれません。
人生を楽しむことは、心理的にも身体的にもメリットが大きいでしょう。日頃の暮らしを楽しむことは、未来のさまざまな疾患予防につながっているかもしれません。
ポジティブ思考で、心も体も健康的に過ごしましょう。
参照:
DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.108.834176
田口里奈
村松正明

