緑の環境で、ストレス緩和、うつ予防

家やオフィスへ観葉植物を置いたり、都心エリアへ積極的に植物を植えたり保護したりと、緑に囲まれた暮らしが注目されつつあります。癒しを求める現代人にとって、植物のある環境はリラックスでき、ニーズが高まっているようです。
植物は心理的に癒される感覚に加え、さらにうつ症状へも関連性があるようです。
アメリカで65歳以上の249,405人を追跡調査したところ、近隣に緑地が多くある地域に住んでいるグループは、そうでないグループに比べ、うつ状態になるリスクが16%低いことがわかりました。
うつ病と聞くと、働き世代に多い印象があるかもしれませんが、高齢者でもうつ病を発症する割合は少なくありません。今後さらに高齢者人口が増え続けると、うつ病の人も増え続ける可能性があります。
気力が出ない、疲れやすい、睡眠の不調などが症状として現れやすいですが、これらは年齢による身体機能の低下と捉えてしまいがちなので、高齢者にとっては注意が必要です。
一方、植物のある環境では、ストレスや不安の緩和、幸福度の向上、身体活動の増加が期待できると報告されています。うつ病の最大のリスク因子である「ストレス」へも働きかけるため、うつ症状の予防へ効果が期待できるといえそうです。
数十年前と比べると緑地は減りつつあるかもしれませんが、近年は緑を増やそうとする働きが出てきています。地球温暖化対策や癒しが目的かもしれませんが、うつ病の予防の面からもメリットが大きいといえるでしょう。
また国や地域による取り組みに加え、自身でも緑に触れるようにすることが大切です。緑のある公園で散歩をする、休日は山へハイキングに出かけるなど、積極的に自然と触れ合うことで日々のストレス軽減とうつ病の予防ができ、ウェルビーイングな暮らしを送ることができるでしょう。
参照:
DOI: 10.1192/bjp.2019.129
田口里奈
村松正明

