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頭のケガでまさかの影響

頭のケガでまさかの影響

指定難病の1つである「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」をご存じですか?日本での患者数は約1万人と推定されており、原因などまだわかっていないことの多い疾患の1つです。今回は認知度が低めの筋萎縮性側索硬化症と、だれでも起こりうる頭部の怪我との関連性を調査した報告をご紹介します。

16の研究をメタ解析したところ、頭部に怪我をしたグループは、そうでないグループよりも筋萎縮性側索硬化症になるリスクが1.45倍高いことがわかりました。

筋萎縮性側索硬化症とは、身体の筋力が徐々に低下し、体を動かすのが困難なる疾患です。筋肉そのものの疾患ではなく、筋肉を動かす神経の伝達機能の異常により引き起こされます。低下するのは筋力のみで、視力や聴力、意識には影響はありません。
初期症状は手足のしびれ、しゃべりにくいといった症状ですが、症状が進行すると身体を動かすことや、物を飲み込んだり呼吸したりすることもできなくなります。
症状の進行はかなり早い疾患で、個人差はありますが発症からの平均寿命は3.5年とされています。

今回の研究では頭部の怪我と関連性があることが示唆されましたが、以前から、筋萎縮性側索硬化症が混在的にあることで頭部の怪我をしやすくなる可能性があるともいわれていました。筋萎縮性側索硬化症は筋力の低下により、つまずいたり転倒したりしやすくなることがわかっています。
今回の研究では、頭部の怪我によって筋萎縮性側索硬化症のリスクが上がることがわかりましたが、以前から推測されていたよりは影響は低いという結果でした。まだまだ研究が進められている段階ではありますが、「筋萎縮性側索硬化症による頭部損傷」、「頭部損傷による筋萎縮性側索硬化症」どちらも可能性として考えられます。

怪我を100%避けることは難しいでしょう。しかし、危険が伴う場面ではヘルメットを被ったり、あらかじめ危険を予測して対策を行ったりすることで、怪我のリスクを下げることは可能です。頭部の怪我は皮膚表面の傷などに加え、今回のように神経系へのリスクも考えられます。頭部の怪我は特に、日ごろから気を付けて過ごしましょう。

参照:

DOI: 10.1007/s10654-017-0327-y

田口里奈

村松正明

執筆:
監修:
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