top of page

ストレスだけではないうつ病の原因

ストレスだけではないうつ病の原因

日本のうつ病・うつ状態の人の割合は、新型コロナウイルス流行後17.3%ともいわれており、身近な存在に感じられつつあります。うつ病と聞くと「心の病気」ととらえがちですが、うつ病を引き起こす原因は精神的なものだけではなさそうです。

デンマークで男女113,906人をさかのぼって調査したところ、頭部に外傷を受けているグループは、そうでないグループよりもうつ病になるリスクが1.59倍高いことがわかりました。特に11~15歳の間で頭部に外傷を受けることは、うつ病の発症と強く関わっていることがわかりました。

うつ病の主なリスク因子として知られているのは「精神的なストレス」です。人間関係のトラブル、仕事の負担や職場環境の変化、家族や親しい人の死や離別などが原因となることが考えられています。このような過度なストレスによって、脳内の神経伝達物質の機能に異常をきたし、うつ病が発症するといわれています。
しかし神経伝達物質の異常をもたらすのは、ストレスのような精神的なものだけではありません。脳血管疾患、認知症、ホルモンバランスの変化、薬の副作用などでも神経伝達物質の異常が起こり、うつ病につながる可能性があります。

今回の研究でうつ病との関連性が示唆された「頭部への外傷」も、外傷によって脳内の神経伝達物質に影響が起こっている可能性が考えられます。
神経の発達の一部は11~15歳頃に進むといわれ、今回の研究でも11~15歳の間での頭部への外傷がうつ病の発症へ特に強く関わっているという結果でした。

うつ病予防には精神的なストレスを貯めないことが思い浮かぶかもしれませんが、頭部への外傷も同じように気を付ける必要があるようです。頭部への外傷はうつ病以外にも、同じく精神疾患の統合失調症との関連性も示唆されています。
外傷は予期せぬ出来事かもしれませんが、ヘルメットを被る、転倒しにくい環境を整えるなど、あらかじめ外傷が起きにくいような注意はしておきましょう。

参照:

DOI: 10.1176/appi.ajp.2013.13020190

田口里奈

村松正明

執筆:
監修:
アンカー 1
bottom of page