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意外な認知症リスク

意外な認知症リスク

高齢化の進行によって身近な疾患の1つとなった「認知症」ですが、認知症リスクと薬との関係についてフィンランドの全国民データを用いた論文をご紹介します。
フィンランドで1999~2003年の間にアルツハイマー病の診断を受けた閉経後の女性84,739人と、アルツハイマー病の診断を受けていない同年齢で同じ地域に住む女性84,739人を比較したところ、経口のホルモン補充療法を受けている人は受けていない人よりもアルツハイマー病になるリスクが9-17%高いことがわかりました。

「アルツハイマー病」は認知症の原因疾患の1つで、「認知症」とは認知機能が低下して日常生活に支障をきたす状態のことを示します。
アルツハイマー型認知症は認知症の中では最も割合が高く、脳にアミロイドβというたんぱくが蓄積し、脳が一部委縮していくことでゆっくりと症状が進行していく特徴があります。
初期は物忘れの自覚から始まり、新しい事を覚える機能の低下、理解力や集中力の低下、徘徊、失語、筋肉硬直、嚥下困難など徐々に進んでいきます。最終的には、日常生活のほとんどすべてで介護が必要となる状態に向かいます。
アルツハイマー病を治療する薬は日本ではまだありません。処方されるのは進行を遅らせる薬のみです。

アルツハイマー病の一番のリスク要因は加齢です。高齢化が進む日本では、数年後には65歳以上の5人に1人が認知症になると予測されています。
今回の研究では、経口のホルモン補充療法もアルツハイマー病のリスクをやや上昇させるという結果でした。

更年期障害の治療法の1つであるホルモン補充療法は、アルツハイマー病のほかにもさまざまな疾患との関連性が示唆されています。
ホルモン補充療法によってリスクが上がる疾患や起こりうる副作用を把握しておくことは大切ですが、ホルモン治療による効果もありますので、両側面をしっかり理解して治療を進めていきましょう。
また更年期症状に対してはホルモン剤のほかに、安定剤や睡眠薬などの薬による対症療法や、漢方での治療方法もあります。自分に合った治療法で更年期を乗り切りましょう。

参照:

DOI: 10.1136/bmj.l665

田口里奈

村松正明

執筆:
監修:
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