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ホルモン治療が肺がんに影響!?

ホルモン治療が肺がんに影響!?

「肺がん」と聞くと喫煙者のイメージがあると思いますが、肺がんと女性ホルモン剤との関連性を調査した日本の報告をご紹介します。
これまでタバコを吸ったことがない女性44,677人をさかのぼって調査したところ、子宮内膜症や子宮筋腫の処置により閉経を誘発した女性でホルモン治療を行ったグループは、ホルモン治療を行わなかったグループより肺がんになるリスクが2.4倍高いことがわかりました。

子宮内膜症とは子宮の内側を覆う子宮内膜が子宮の内側以外に発生してしまう疾患で、子宮筋腫とは子宮の壁にできる筋肉組織由来の良性腫瘍です。どちらも症状等に応じて、薬による治療や手術による治療、また子宮筋腫の場合は軽度なら経過観察とすることもあります。

手術による治療のうち、子宮と卵巣を全摘出する場合は物理的に閉経へ向かいます。
一般的に女性は閉経が近くなるとホルモンの分泌が急激に低下しますが、この自然閉経と比べて処置による閉経はさらに急激にホルモンが低下することになります。
ホルモン分泌の低下により起こるのが更年期障害です。処置による閉経の場合、ほてり、のぼせ、めまいなどの更年期症状がより強く出る可能性があるため、ホルモン低下を緩やかにして症状を抑えるためにホルモンを補うホルモン補充療法を行います。

今回の調査では、自然閉経した女性に対するホルモン補充療法は必ずしも肺がんリスクを上げませんでしたが、処置により閉経した女性に対しては肺がんリスクが高くなる結果となりました。

ホルモン治療によるがんへの影響はさまざまな調査がされており、肺がん以外の部位でのがんリスクが高くなるという報告もあります。
ただし「がんのリスクが上昇するからホルモン治療はやりたくない」という一方的な考え方をするのは良くありません。ホルモン治療によるメリットもたくさんあります。
家事や仕事に忙しい40代~50代女性の、ほてり、めまいなどが数年続く症状は、かなりのQOL低下につながります。ホルモン治療はこれらの症状を緩和したり、ほとんどなくしたりすることもできます。

毎日自分らしく生き生きと生活するために、ホルモン治療のメリットとデメリットをしっかり理解し、自分に合った方法を選びましょう。

参照:

DOI: 10.1002/ijc.21229

田口里奈

村松正明

執筆:
監修:
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