がん予防のために、人生を楽しむ

癌の発症は遺伝や日頃の生活習慣が関係していることは知られていますが、それらに加えて心理面も影響している可能性があるという報告をご紹介します。
中国で、乳がん患者328人と比較対象となる656人をさかのぼって調査した研究と、13,176人を追跡調査した研究によると、人生の満足度が低い人は、満足度が高い人より乳がんになるリスクが2.4倍高いことがわかりました。
日本での乳がん患者は年々増加しており、死亡率も上昇を続けています。
一方でアメリカやカナダ、イギリスなどではここ30年ほど死亡率は低下傾向です。その理由の1つは、乳がん検診による早期発見と考えられています。
近年の乳がん検診率はアメリカが約8割に対して、日本では約4割です。日本でも自治体による乳がん検診の推進や、乳がんの理解を広めるピンクリボン運動などが行われていますが、検診率はアメリカに比べるとまだまだ低いことがわかります。
乳がんは早期発見により治療が可能な癌です。
発見が遅くなってしまうと、できる治療法が限られてしまったり、治療法によっては体に負担がかかってしまったりと、生存率低下につながってしまいます。癌の中でも乳がんは特に、早期に発見し、早期に治療することが重要です。
定期的に乳がん検診を受け続けることは大切ですが、今回の研究では人生の満足度の高い人は、乳がんのリスクが低くなるという結果でした。
これまで、うつや不安、人生での否定的な出来事などの心理的な要因が乳がんの発症に影響しているという報告がありました。今回の研究では「人生の満足度」を住居、収入、健康、結婚、医療、隣人関係において評価し、乳がんとの関連性を調査したところ、有意な差が見られました。
癌のリスクを抑えるために食事や運動などの生活面の改善も大切ですが、心理面からも予防することが必要です。普段から意識して心理面の満足度を上げ、日常生活を楽しみながら乳がんを予防しましょう。
参照:
DOI: 10.1186/s12885-019-5321-1
田口里奈
村松正明

