たった1時間の差が不整脈リスク

「心房細動」という疾患名は聞いたことがありますか?睡眠時間と心房細動との関係性を調査した研究をご紹介します。
中国で18歳から98歳の87,693人を対象に平均約8年間の追跡調査をしたところ、睡眠時間が1日8時間以上のグループは、睡眠時間が7時間程度のグループよりも、心房細動になるリスクが1.5倍高いことがわかりました。
心房細動とは、心臓の上部にある心房が細かく震える疾患で不整脈の一種です。心房が痙攣状態になるため、心拍数が100~150以上になることもあります。
自覚症状としては胸が苦しい感じや息切れ、めまいが起ることがありますが、一方で自覚症状がないまま進行してしまう方もいます。
この心房細動により、血の塊ができて血管を詰まらせてしまう血栓症や、血液をうまく送り出せなくなってしまう心不全などが引き起こされる可能性が高くなり、さらに麻痺や寝たきり状態、言語障害の原因になることもあります。
心房細動は年齢が高くなるほど起こりやすくなることがわかっており、現在日本は高齢化のため患者数が増えてきている状態です。
加齢以外にも、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病や、喫煙、飲酒、ストレスによっても引き起こされるといわれています。これらに加え、睡眠時間も関連しているようです。
7時間睡眠と8時間以上の睡眠。1~数時間程度の違いですが、今回の調査で心房細動のリスクは1.5倍もの差が出た結果でした。
たった少しの睡眠時間の違いと思われがちですが、この差でも毎日続けることによって数年後、体へは大きな差となって表れるようです。毎日のちょっとした生活リズムを整えることによって、将来の大きな疾患の予防につながる可能性があります。1日1日の時間を大切に過ごしましょう。
参照:
DOI: 10.1038/s41598-017-04034-8
田口里奈
村松正明

