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残業するほど、リスクの上がる疾患

残業するほど、リスクの上がる疾患

ここ数年、長時間労働環境が改善されつつある傾向ですが、中には「残業が当たり前」という職場もまだまだ残っているのではないでしょうか。今回は、長時間労働と心房細動に関連性が見られたという報告をご紹介します。

ヨーロッパで85,494人の働く男女を平均10年間の追跡調査したところ、働く時間が週55時間以上のグループは、週35~40時間のグループよりも心房細動になるリスクが1.42倍高いことがわかりました。

心房細動とは、心臓上部の心房部分が小刻みに動くことで脈が速くなる、不整脈の1つです。
動悸や息切れ、胸の苦しさや不快感、めまいなどの症状が主に現れますが、自覚症状がなく健康診断の心電図検査によって見つかる場合もあります。
症状が悪化すると心筋梗塞や脳梗塞を発症する可能性があるので、早めの治療が必要な疾患です。

心房細動の主なリスク因子は、加齢、飲酒、喫煙、高血圧や心臓病などです。高齢化が進んでいるため年々患者数は増えており、今後も増加することが予測されます。
今回の研究では、長時間労働も心房細動のリスクが上がるという結果でした。
労働時間と心房細動との詳しい関連性はわかりませんが、労働時間の長い人は、運動不足や喫煙の割合、アルコール摂取量が高い傾向にあり、また心理的ストレスも大きいため、これらが影響していることが可能性として考えられます。

近年は長時間労働や労働環境が改善されつつある傾向ですが、週に55時間以上働いている人はまだ一定割合いるようです。
残業が当たり前という働き方の人や、体力があり長時間でも問題なく働けていると思っている人は、実は体や心に負担がかかっているかもしれません。
若いころの長時間労働によって、数十年後に発症する心房細動リスクが上がってしまっている可能性があります。働きすぎは控え、ワークライフバランスのとれた暮らしを送りましょう。

参照:

DOI: 10.1093/eurheartj/ehx324

田口里奈

村松正明

執筆:
監修:
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