うつリスクの上がる働き方

うつ病の原因の1つが長時間労働です。特に新入社員は、過度な労働時間や労働条件に加え、慣れない環境によって体調を崩してしまう人が少なくないといわれています。
今回は、特に労働時間が長いとされる研修医で、労働時間とうつ病の関係性を調査した研究をご紹介します。
日本で男性研修医1,241人を3ヶ月間追跡調査したところ、週に80~99.9時間働くグループは、60時間未満のグループよりもうつ病になるリスクが2.83倍、100時間以上働くグループは6.96倍高いことがわかりました。
一般的な労働時間としては週に40時間ですが、研修医は指導医からの指導や研修など学びの日々を送るため、職場で過ごす時間が長い傾向にあります。
研修医に限らず長時間労働は、うつ病のリスク因子とされています。
長時間労働によりストレスが蓄積したり、睡眠時間や自由に使える時間が十分確保できなくなったりしてしまいます。今回の調査対象者の睡眠時間は5.8時間、自由に使える時間は平均2.8時間という結果で、これはどちらの時間もかなり少ないといえます。
睡眠時間が不十分な状態が続くことでうつ病が発症しやすくなることもわかっていますし、長時間労働によって睡眠の質が低下してしまうとも考えられています。
また長時間労働はうつ病や睡眠の不調以外にも、仕事のパフォーマンスの低下やミスの増加、さらには冠動脈疾患とも関連性があることが報告されています。
以前は長時間働くことが美徳とされてきましたが、近年は労働環境の見直しやライフワークバランスを重視する傾向になってきています。過度な労働はうつ病のリスクにもなりますし、ストレス蓄積、作業効率の低下などデメリットばかりです。
自分が働きやすく、新入社員も働きやすい職場環境をつくって、心と身体の健康を保ちましょう。
参照:
DOI: 10.1186/s12909-018-1171-9
田口里奈
村松正明

