疾患と栄養の関係Ⅱ③ 尿路結石症と地中海食

地中海食とは、ギリシャやスペイン、イタリアなどの地中海沿岸の国々で食べられている伝統的な食事です。地中海食は、野菜、果物、豆類、種実類などの植物性食品が豊富で、オリーブオイルなどの良質な油脂を主に使うことにより各食材を生かし、バランスのよい食事のとり方になっています。
今回は地中海食と尿路結石症(腎結石)の発症との関連について調べた研究をご紹介します。
イタリアとスペインで行われた前向きコホート研究です。尿路結石の病歴がない男女16,094人を対象として、食品摂取頻度アンケートを行い、平均9.6年追跡調査しました。
その結果、地中海食を多くとる群は、少ない群と比べて、尿路結石症(腎結石)になるリスクが36%低く、乳製品や野菜を多く摂っているほど発症リスクが低くなりました。
尿路結石症は何か一つの原因で発症するのではありませんが、要因のひとつに動物性タンパク質や脂肪の摂り過ぎといった食事や内分泌・代謝異常などが考えられます。
いざ地中海食を実践しようと思ったら、はるばる地中海まで旅をしたり、輸入食品を探さなくてはいけないの…?と思うかもしれませんが大丈夫です。いつものお店やスーパーで揃う身近な食材で手軽に始めることができます。
例えば、和食の食材や料理にオリーブオイルを合わせてみるのも面白いもの。いつもの食材にプラスしてオリーブオイルがポイントです!豆腐や納豆にオリーブオイルをかけてみたり、野菜をオリーブオイルでソテーや蒸しみてはいかがでしょう。手軽に和風テイストの地中海食になります。動物性のタンパク質は魚介類を日常的にとり入れ、赤身のお肉は月に数回程度、チーズやヨーグルトといった乳製品は少量から適量にするとさらによいでしょう。
和食との類似点が多く、日本人にもなじみやすい地中海食を普段の献立にひと工夫して取り入れて、楽しく健康でおいしい食生活をしてみましょう!
参照:
doi: 10.1053/j.ajkd.2017.06.027.
京極奈美
村松正明
