疾患と栄養の関係⑤ 骨粗しょう症と納豆

皆さんは、「骨粗しょう症」という病気を、知っていますか? おそらく、多くの人が1度は耳にしたことがある病気だと思います。
骨粗しょう症とは、骨折しやすく、骨がもろくなった状態のことを指します。骨は、体内で毎日新たに作られること(骨形成)と、溶かして壊されること(骨吸収)を繰り返しています。このバランスが崩れて骨吸収が骨形成よりも多くなると骨密度が低下し、骨がスカスカの状態になるのが骨粗しょう症です。骨粗しょう症に悩む方は、現在、約1,300万人と推定され、人口の高齢化により今後その数は急増すると予測されています。1)そのため、骨粗しょう症対策は非常に重要です。
骨粗しょう症の原因には、加齢、閉経、運動不足、喫煙、食生活などが挙げられます。食生活ではどのようなことに気を付ければよいでしょうか。骨の形成に関連するカルシウム・ビタミンD・ビタミンKを意識的に補給すると良いと言われていますが、どうやって補給したらよいかわかりにくいですよね。その場合、カルシウムやビタミンKを多く含む、納豆を食べることをおすすめします。
実際に、納豆と骨粗しょう症の関係を示した研究があります。この研究では、閉経後の日本人女性1,417人を対象に、食事の摂取量や骨粗しょう症による骨折の有無などを調査し、その後15.2年間という長期間の追跡調査をしました。ほかの食品による影響や、生活習慣、既往歴などの影響を考慮して分析した結果、1週間に1パック未満の納豆を食べていたグループと比較して、1週間に1~6パックの納豆を食べていたグループでは、骨粗しょう症による骨折のリスクが21%、1週間に7パック以上の納豆を食べていたグループでは同じく44%低いことが分かりました。
納豆は、特に骨形成を促進し、骨吸収を抑制するビタミンKを多く含むだけでなく、たんぱく質やビタミンB?、パントテン酸、マグネシウム、食物繊維など多くの栄養素が含まれています。納豆は、かき混ぜるだけで食べることができる手軽な食品とはいえ、毎日1パックを食べると飽きてしまいますよね。有名な料理検索サイトで検索をしてみると納豆を使ったレシピが45000件あまりヒットしました。みそ汁、キムチ納豆など、そのまま加えるだけ、和えるだけの簡単な料理もあります。ほかの食べ物と組み合わせると、食事のバランスも整いやすいので、ぜひ挑戦してみてください。
1) 「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」(一般社団法人骨粗鬆症学会)
参照:
J Nutr. 2020 Mar 1;150(3):599-605.
石渕みつき
村松正明

