避妊薬もワクチンも、正しく活用

ワクチンで予防できる癌としても知られる「子宮頸がん」ですが、子宮頸がんと経口避妊薬の関連性を調査した報告をご紹介します。
1990~2019年に発表された19の研究報告をメタ解析したところ、経口避妊薬を使用していたグループは、使用していないグループよりも子宮頸がんになるリスクが1.51倍高いことがわかりました。
子宮頸がんとは子宮の下側に位置する子宮頚部に生じる癌で、子宮がんの約7割がこの子宮頸がんです。
近年は若い年齢での発症も増えてきており、20代後半から増加し始め30代後半から40代がピークといわれています。日本では現在、20歳以上の女性は2年に1回の子宮頸がん検診が推奨されています。
子宮頸がんの初期の自覚症状はなく、進行するにつれて不正出血やおりものの異常、下腹部痛などが現れます。進行が進むと、癌が子宮頚部の周りの組織に広がったり、体の他の臓器へ転移したりする可能性もあります。
子宮頸がんのリスクとして考えられているのはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。性交経験のある女性の過半数は生涯で一度は感染するといわれています。
現在日本では小学6年~高校1年相当の女性を対象に、予防接種法に基づき公費でHPVワクチンの定期接種が行われています。子宮頸がんは癌の中では珍しい、ワクチンで予防できる癌です。
しかし、ワクチンを接種していても完全に予防できるわけではありません。
今回の研究報告のように、経口避妊薬が子宮頸がんのリスクを上げるという調査結果も出ています。HPVワクチンを接種しても、定期的な検診を受ける必要はあります。
子宮頸がんは検診によって早期に発見することで、高い確率で完治できる癌の1つです。リスクが上がるからといって経口避妊薬を避ける考えもありますが、定期的に検診を受け続けて早めに対処することが大切です。
参照:
DOI: 10.1016/j.ejogrb.2020.02.014
田口里奈
村松正明

