寝不足で難病発症!?

アメリカで151,871人の女性を平均約15年間追跡調査したところ、睡眠時間が6時間未満のグループは、睡眠時間が7~8時間のグループよりも、潰瘍性大腸炎になるリスクが1.51倍高いことがわかりました。
潰瘍性大腸炎は日本で「難病」に指定されている疾患です。
大腸の粘膜に炎症やただれ、潰瘍ができ、血便や下痢、腹痛、発熱などの症状が現れます。完治させる方法は現在まだ見つかっておらず、治療としては症状が出ていない状態の「寛解」を目指します。
潰瘍性大腸炎の症状は良くなったり悪くなったりを繰り返しやすく、長期にわたっての治療や受診が必要となる場合が多いです。薬による治療に加え、アルコールなどの刺激物や過度な食物繊維など食事制限が必要となる場合もあります。
潰瘍性大腸炎のはっきりした原因はわかっていませんが、免疫系や遺伝、食べ物などが関与している可能性があるといわれています。日本での患者数は増えており、食事の欧米化による動物性脂肪の増加が原因のひとつとも考えられています。そして今回の研究では、睡眠時間が短いことも潰瘍性大腸炎へ影響があるという結果でした。
日頃の睡眠時間が短いと、昼間の眠気やダルさ、食欲の増進なども起こることがわかっています。
ただこれらの自覚症状は慣れが生じてしまいやすく、睡眠時間の短い生活が続くことで不調を感じられにくくなってしまいます。「自分は短い睡眠でも大丈夫!」と思っていても、実は体に負担がかかっている状態が続いているかもしれません。
日々の睡眠不足により、知らず知らずのうちにパフォーマンスの低下が引き起こされますし、さらに潰瘍性大腸炎などの大きな疾患の要因にもなってしまう可能性があります。
必要な睡眠時間には個人差はありますが、「日中に疲労感や眠気を感じない、週末に寝だめの必要がない」程度の睡眠時間は毎日しっかり確保する必要があります。防げるリスクや疾患はしっかり予防して、健康的な生活を送りましょう。
参照:
DOI: 10.1016/j.cgh.2014.04.021
田口里奈
村松正明

