歩幅1割増し、健康寿命1割増し

1日も終盤。電車の中で私は携帯に表示される歩数計が1万歩を超えると「よっし」と小さくガッツポーズしてしまいます。6000歩に満たない日はやっきになって駅から徒歩で帰り、歩数を稼いでみたり。しかしたくさん歩数を歩けば安堵していいのでしょうか。ある時、友人と私は旅行先で同じ場所、同じルートを辿った。なのに何故か私の方の歩数が多かったのです。私の一歩は小さい?機敏な小股と確実に前進する大股。どんな歩き方が身体に良いのでしょう?
今回紹介するのは、2017年日本で発表された研究。65歳から90歳の1686人、のべ6500人を平均3.9年間観察し、認知症と歩行の習慣の相関性を調べました。
その結果、歩幅が狭い人は、そうでない人に比べて認知症の罹患リスクが2.12倍高いことがわかりました。
また、歩くスピードが遅い人は、そうでない人に比べて認知症リスクが3.46倍高いこともわかりました。
ウォーキングを健康のため取り入れている人は全体の約6割に及びます。70歳以上なら7割が行う最も身近な運動です。しかし、ちょぼちょぼ、ダラダラ歩きでは認知症予防に効果がないことがここに証明されました。
適正な歩幅は「身長cm×0.45」――170cmなら76cm。160cmなら72cmです。
歩幅、スピードを測るためには我々が毎日歩いている横断歩道が最適なのをご存知ですか。横断歩道の白線と次の白線を少しまたぐ幅がまさに70cm。「適正な歩幅の間隔」に白線は引かれています。また青信号の点灯時間も適切なスピード(秒速1.2m)で渡り切れるように設定されています。
信号の途中でチカチカ、赤信号になってしまっていたら要注意。筋力低下の警笛の黄色信号が点滅しています。
歩幅が減少の一途を辿らないよういつもより「プラス10cm、1割増」を意識して歩きましょう。
姿勢を正すだけでもよく進む。頭を上げて視線を前に。大きく胸を張って両手を振ったら勢いに乗って、まずは健康長寿への一歩を踏み出しましょう。
参照:
DOI: 10.1016/j.jamda.2016.10.015
小瀧なつき
村松正明

