やせすぎにも要注意!頭頸部がんのリスク

皆さんは「やせすぎ」について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?「太りすぎ」のリスクについては、よく耳にする機会が多いと思いますが、実は「やせすぎ」にも注意が必要かもしれません。
2022年、韓国で行われた大規模な研究で、驚くべき結果が明らかになりました。約960万人もの方々を対象に、2009年から2018年までの10年間にわたって調査した結果、BMI(体格指数)が18.5未満の「やせ型」の方々で、適正なBMI(18.5~23)の人に比べて頭頸部がんのリスクが約1.32倍高くなることがわかったのです。
頭頸部がんとは、喉(のど)や口、鼻などの部分にできるがんの総称です。特に、喉頭がん(喉の部分のがん)で1.3倍、口腔がん(口の中のがん)で1.28倍、中咽頭がん(のどの奥の部分のがん)では1.58倍もリスクが高くなることが判明しました。
さらに興味深いことに、腹囲が小さい方(男性で80cm未満、女性で75cm未満)でも、下咽頭がんと喉頭がんのリスクが高まることもわかりました。特に喫煙歴のある方や飲酒習慣のある方では、このリスクがより顕著になる傾向が見られました。
この結果を元に、私たちが気をつけるべきことは何でしょう。まず適正な体重の維持です。もしあなたがやせすぎている(BMI18.5未満)のであれば、体重を増やすことを考えてみましょう。この時、暴飲暴食をしては本末転倒です。バランスの良い食事を心がけ、運動習慣を身につけて、健康的に体重を増やすことが大切です。また喫煙や過度な飲酒を避け、健康的な生活習慣を保つことも大切です。
この研究結果は、「やせていれば健康的」という考えが必ずしも正しくないことを教えてくれています。大切なのは、極端に走らず、バランスの取れた健康管理を心がけることです。
ただし、これらの研究結果はあくまでも統計的な関連性を示すものであり、やせているからといって必ずしもがんになるわけではありません。むしろ、この結果を前向きにとらえ、自分の体型や生活習慣を見直すきっかけにしていただければと思います。
私たち一人ひとりが自分の体に関心を持ち、適切な体重管理と健康的な生活習慣を心がけることで、より健やかな未来を築いていくことができるはずです。
参照:
DOI: 10.3390/cancers14163880
八木裕太
村松正明

