疾患と栄養の関係 子宮内膜症とビタミンB1

女性の皆さん、子宮内膜症という病気はご存知ですか?
テレビ番組や婦人科など、どこかで見聞きしたことがあるかもしれませんね。子宮内膜症とは、子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で子宮の内側以外の場所で発育する疾患で、20~30代の女性で発症することが多いと言われています。代表的な症状は痛みと不妊ですが無症状の場合もある??ので定期的に健診を受けることをお勧めします。
さて、子宮内膜症の原因についてはまだはっきりとわかっていないのが現状ですが、ここで気になる論文があるので紹介します。アメリカで成人女性約7万人を対象にして10年間の追跡調査を行った研究で、食事中のビタミンB1(チアミン)を多く摂取している群は、そうでない群と比較して子宮内膜症になるリスクが16%低いということが分かりました。また、このビタミンB1は食事由来であるということがポイントで、サプリメントではこの結果は得られないとのことでした。子宮の病気とビタミンの摂取は一見結びつかないように思うかもしれません。しかし、やはり人間の身体は食べたものでできているのです。
食事から摂る栄養の効果を、サプリメントでは代用できないこともあります。これを機に少し食事内容を見直してみませんか?
ビタミンB1の1日の推奨量は18~74歳で1.1mg??です。そしてビタミンB1を多く含む食品は豚肉です。普段食事内容を気にする機会が少なかったり、サプリメントで食事を済ませてしまったりする方は、1日のうちの1食のメインを豚肉料理にするよう意識してみましょう。例えば豚ロース肉を100g使った生姜焼きであれば、1皿で約0.7mg、ひれ肉100gを使ったとんかつであれば、約1.3mgのビタミンB1を摂取することができます。お肉の種類ごとにビタミンB1の量も違いますが、1皿で1日の推奨量を満たすことができるのは簡単で魅力的ですよね。
疾病予防の基本はバランスの良い食事です。普段の生活で無理のない範囲で豚肉料理を取り入れること、そして定期的に婦人科健診を受けること、是非これからの生活で意識してみてください。
参考文献
1)公益社団法人日本産婦人科学会 子宮内膜症とは(2022/07/11)
2)日本人の食事摂取基準2020年版(p257)
参照:
J Endometr. 2013 Jan 1;5(1):17-26.
越智茉妃瑠
村松正明

