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ノロノロ歩きで訪れる甘くない未来

ノロノロ歩きで訪れる甘くない未来

あなたは、歩くペースは速い方ですか?人それぞれ歩きやすい速さは異なるかと思います。実は、この歩くペースが私たちの健康に関係していることが、2023年の研究によって確認されました。今日は、私たちの日常生活に密接に関わる「歩くこと」と糖尿病についてご紹介します。

イギリスの研究チームが、約19万4千人(平均年齢56.5歳)を対象に5年以上にわたって調査を行いました。この研究によって、歩く速さと体型が、2型糖尿病の発症リスクに大きく関わっていることがわかりました。

2型糖尿病について簡単に説明しますね。これは、体内でインスリンという血糖値を下げるホルモンがうまく働かなくなる病気です。その結果、血糖値が高くなってしまい、全身の血管や神経にダメージを与えていきます。放置すると命に関わる病気で、できることなら予防したい病気の一つです。

さて、この研究では何がわかったのでしょうか。研究チームは、参加者の体型と歩く速さの組み合わせが、2型糖尿病になるリスクにどう影響するかを調べました。

まず、歩くペースの速い人で、「普通の体型の人」と「肥満の人」の2型糖尿病リスクを比べました。その結果、肥満の人は2型糖尿病のリスクが10倍程度高い(女性:約9.6倍、男性:約11.9倍)ことがわかりました。肥満は2型糖尿病のリスクになる。これはイメージがつきやすいですよね。

この研究が面白いのはここからで、歩くペースが遅い人はさらに2型糖尿病リスクが高まることも確認されました。肥満で歩くペースの遅い人は、普通の体型で歩くペースが速い人に比べて、女性で約12.6倍、男性で約15.4倍リスクが高まるようです。同じ肥満の人でも、歩くスピードが遅い人は、速い人よりも2型糖尿病リスクが1.3倍高くなることになります。2型糖尿病の予防のためには、「体型の管理」と「歩くペース」を意識することが重要なようですね。

以上の結果を踏まえて、日常生活ではどのようなことに意識を向ければ良いのでしょうか。まず毎日の食事に気をつけてダイエットをする。ハイカロリーな超加工食品を避け、バランスの取れた食事を心がけましょう。また日々の歩く速さに意識を向けてみましょう。少し息が弾む程度の速さを目指すのがいいですね。研究では、歩くペースとウエスト、体脂肪率の間にも関連があると指摘されているので一石二鳥です。

研究チームは、「速く歩くこと」と「体重管理」の両方に取り組むことが2型糖尿病の予防に重要だと捉えています。体型を気にすることはもちろん、日々の歩き方を少し変えるだけで、健康リスクを大きく下げられる可能性があります。ご自身のライフスタイルに取り入れやすい簡単なことから始めて、少しずつ習慣にしていきましょう。

参照:

doi: 10.1111/dom.15053.

八木裕太

村松正明

執筆:
監修:
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