お産より痛い!?腎結石は水で防ごう

「お産よりも痛い」といわれる腎結石。その痛み、想像するだけで背筋が凍る思いがしませんか?実は、恐ろしい腎結石を防ぐ簡単な方法があるんです。それは、適切な量の水を飲むことです。
27歳から44歳の女性約96,000人を8年間追跡調査したアメリカの研究をご紹介します。この研究では水分を多くとっている群(1日あたり2,769mL以上)は、少ない群(1日あたり1,431mL(約1.4リットル)以下)と比べて、腎結石になるリスクが32%も低いことが明らかとなりました。
腎結石の痛みは、本当に想像を絶するものです。私の知っている患者さんも、「体の中で何かが引き裂かれるような痛み」と言っていました。痛みのあまり、救急車を呼んだと言っていました。そんな苦しみを、水を飲むだけで防ぐことができるなんて、驚きですよね。
2,769mL(=2.7リットル)って、どれくらいでしょうか?500mlのペットボトル約5.5本分です。または、一般的なコップ(200ml)なら14杯分になります。最初は多く感じるかもしれませんが、工夫次第で達成できる量なんです。
水分摂取を増やすコツは、日常生活の中に組み込むことです。例えば、起床時にコップ1杯の水を飲む、食事の前後に少量の水を飲む、外出時には水筒を持ち歩くなどです。
ただし、注意してほしい点があります。水分を取り過ぎると、水中毒のリスクにつながることもあります。めまいや頭痛、吐き気などの症状が現れ、重症化すると命に関わることもあります。1日に3リットル以上、1時間に1リットル以上の水を飲むと水中毒のリスクが上がるとされていますので、気をつけてください。
この研究では、水分摂取以外にも興味深い結果が出ています。例えば、食事からのカルシウム摂取量が多い人ほど、腎結石のリスクが低いことがわかりました。また、フィチン酸という成分も腎結石を防ぐ効果があることが示されました。フィチン酸は豆類や全粒穀物に多く含まれています。
これらの結果は、私たちの日々の食生活が腎臓の健康に大きな影響を与えることを示しています。日頃からこまめに水を飲むことに加えて、カルシウムを含む食品や豆類・全粒穀物を積極的に食べることで、さらに効果的に腎結石を予防できるかもしれません。
未来のあなたの体は、これから積み重ねる小さな習慣で作り上げられます。「お産よりも痛い」という腎結石を予防するためにも、まずは水分摂取から始めてみましょう。
参照:
Arch Intern Med. 2004 Apr 26;164(8):885-91.
八木裕太
村松正明

