膀胱がん
bladder-cancer
膀胱がんは膀胱の内面を覆う細胞から発生するがんで、中年から中高年の男性に多く発症します。筋層非浸潤性がん、筋層浸潤性がん、上皮内がんなどに分類されますが、多発したり再発しやすいという特徴があります。喫煙、化学物質、寄生虫などがリスクとなります。症状で最も多いのは血尿ですが、多くの場合は痛みなどの症状を伴いません。そして排尿の終わりに血尿を呈するのが特徴です。診断には膀胱の内視鏡と生検による病理組織検査が有力です。その他、腹部超音波、CT、MRIなどの画像検査や 尿の細胞診などが行われます。治療は手術が中心で、進行している場合に化学療法や放射線療法が行われます。免疫チェックポイント阻害薬も使用されます。膀胱がんが非浸潤性、あるいは浸潤が粘膜下にとどまる場合、予後は良好です。予防には禁煙が重要です。
膀胱は腎臓で作られた尿を貯めておく臓器です。膀胱は伸縮できるように筋肉でできていますが、内側は移行上皮という細胞で構成されています。ほとんどの膀胱がんはこの移行上皮細胞から生じます。膀胱がんの罹患率は10万人あたり18人程度とされています。膀胱がんは男性が女性に比べて約3倍多く、中年から中高年に発症する頻度が高くなっています。筋層非浸潤性(表在)がん、筋層浸潤性がん、上皮内がんなどに分類されます。筋層非浸潤性がんの多くは表在性で浸潤や転移を起こしにくいのに対し、筋層浸潤性がんは膀胱外に浸潤したり転移しやすいという特徴があります。上皮内がんは隆起のない扁平な初期のがんですが、筋層浸潤性がんと同じように浸潤しやすい性質を有します。膀胱がんの特徴は、多発することがあり、また再発しやすい、ということです。そのため膀胱全体に、がんになる可能性がある細胞が存在するのではないかと考えられています。

東京大学名誉教授 山下直秀
