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肝がん(C型肝炎ウイルス)

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C型肝炎ウイルス(HCV)は主として血液を介して感染しますが、多くの場合感染が持続し、無治療でいると肝硬変、肝がんへと進行します。肝硬変の初期までは無症状のことが多いのですが、肝硬変が進行すると易疲労性、腹水、黄疸、食道静脈瘤からの出血、意識障害などの症状が出現します。肝がんを発症すると腹痛、腹部腫瘤などの症状が出ます。診断のために腹部超音波検査、CT、MRIなどによる画像検査が実施されます。肝がんに対する治療としてラジオ波、動脈塞栓術、手術などが行われます。慢性C型肝炎、あるいは初期の肝硬変の状態でHCVの増殖を抑制する抗ウイルス療法は、肝がん発症リスクを軽減するために重要です。抗ウイルス療法としては複数の経口薬(直接作用型抗ウイルス剤)を用いるインターフェロンフリー治療が主体となっています。

肝炎ウイルスには、A、B、C、D、E型などがありますが、A型、E型ウイルスは経口感染し、B型、C型、D型ウイルスは主に血液を介して感染します。日本では、C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎や肝硬変の頻度が高いことが知られています。C型肝炎ウイルスに感染すると、多くの場合その後も感染が持続します。C型肝炎ウイルスが体の中に残っていても自覚症状がないことがしばしばありますが、この状態をC型肝炎ウイルスキャリアーといいます。無治療でいると慢性肝炎、肝硬変と進行し、肝がんを併発することがあります。C型肝炎ウイルスの初感染から数十年(20~30年)を経過して肝がんが発症するとされています。日本では約100~150万人の人がC型肝炎ウイルスに感染しており、医療上大きな問題となっています。

肝がん(C型肝炎ウイルス)

​東京大学名誉教授 山下直秀

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