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慢性腎臓病

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慢性腎臓病は、「原因となる病気に関わらず、尿タンパクが出ているなどの腎疾患の存在を示す所見」、「中等度以上の腎機能低下(糸球体ろ過量が60ml/min以下になる)」のいずれかが3ケ月以上持続する状態のことを指します。初期は無症状ですが、進行すると疲れやすさ、むくみ、頻尿、夜間尿などが出現します。さらに進行すると、食欲低下、吐き気、嘔吐、貧血、運動時の息切れがみられるようになります。診断には、血液、尿検査、腹部超音波検査、CTなどが用いられます。腎障害の進行を抑えるために動脈硬化と血圧のコントロールが必要になります。そのために生活習慣の改善と禁煙、食塩制限、さらにタンパク制限などが行われ、腎臓の保護作用のあるアンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬、SGLT2阻害薬などが投与されます。早期に発見して治療を行えば一般的に予後は悪くありません。予防には、禁煙、塩分摂取制限、運動、適正体重の維持などがあります。

腎臓は背中側の腰骨の上あたりに左右1ずつあり、握りこぶしほどの大きさでそら豆のような形をしています。腎臓には次の3つの大きな働きがあります。①身体で作られた老廃物を濾過し、尿として排泄する、②体内の水分量やナトリウム、カリウムなどのミネラルを調節する、③赤血球の産生や血圧の調節に重要なホルモンを産生する、の3つです。慢性腎臓病(CKD)ではこれらの機能の障害によって種々の症状がおきます。慢性腎臓病は、「原因となる病気に関わらず、尿タンパクが出ているなどの腎疾患の存在を示す所見」、「中等度以上の腎機能低下(糸球体ろ過量という数値が60ml/min以下になる:正常は90以上)」のいずれかが3ケ月以上持続する状態のことを指します(定義されます)。慢性に進行する腎臓病については、以前から慢性腎不全(CRF)という言葉が使われてきました。慢性腎不全は腎機能障害がかなり進行した状態をいいますが、腎機能が軽度な状態でも心臓や血管の疾患のリスクが高く、また腎機能障害は容易に慢性腎不全の状態にまでなるので、包括的な疾患概念として慢性腎臓病(CKD)が提唱されています。慢性腎臓病には遺伝要因が関与しているとも報告されています。

慢性腎臓病

​東京大学名誉教授 山下直秀

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