top of page
慢性閉塞性肺疾患
copd
慢性閉塞性肺疾患は中高年に好発し、長期間の喫煙が主たる原因です。約10%では喫煙歴を認めず、粉塵、大気汚染、化学物質のガスなどの環境要因や遺伝要因も想定されています。初期は無症状か、症状があっても軽い咳や痰です。病気が進行すると慢性的な咳や痰、息切れや呼吸困難が出現し、酸素の吸入が必要な場合もあります。診断にはCT検査、スパイロメーター(呼吸機能検査)、動脈血のガス分析などが用いられます。非喫煙者では血液中のアルファ1-アンチトリプシンの測定が行われることがあります。治療で最も重要なことは、禁煙です。感染は増悪因子なので、インフルエンザや肺炎球菌のワクチンの接種が望まれます。薬物療法や呼吸リハビリテーションも行われます。予後は低酸素血症がなければ良好ですが、病状が進行しているとあまり良くありません。予防は禁煙です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺気腫と慢性気管支炎とに分類されていましたが、現在は2つをまとめて慢性閉塞性肺疾患といいます。慢性閉塞性肺疾患では、肺を構成する肺胞という小さなガス交換のための袋の壁が壊れて拡張し、呼吸運動の中でも呼気(息を吐くこと)に特に障害がおこり、肺から空気を出しにくくなります。中高年に好発し、日本では500万人以上の慢性閉塞性肺疾患の患者さんがいると推定されています。慢性閉塞性肺疾患はタバコなどの有害な空気を吸い込むことにより気道や肺胞に障害が生じ、その結果、息切れ、呼吸困難などの症状が出現します。長期間の喫煙が主たる原因であることから、生活習慣病の一つと考えられます。

東京大学名誉教授 山下直秀
bottom of page
