歯周病
periodontal-disease
歯周病には、歯肉炎と歯周炎などがあります。歯肉炎の中で最も頻度が高いのはプラーク性歯肉炎です。歯肉炎が進行すると歯周炎になります。歯周炎は適切に治療しないと最終的には歯の喪失につながります。歯周病は誤嚥性肺炎、感染性心内膜炎などの原因となり、また全身性疾患の発症や進展に影響するとされています。プラーク性歯肉炎や多くの歯周炎の原因は細菌性のプラーク(歯垢)です。歯周病の進行には、喫煙、ストレス、糖尿病などが関係しています。歯肉炎では歯磨き時の出血がみられ 、歯周炎に進行すると膿の排出も生じます。進行するとポケットが形成され、歯がぐらつき、口臭も強くなります。歯周病の診断には、歯周組織検査、細菌学的検査などが行われます。治療には歯垢・歯石を除去するブラッシング、歯科医でのクリーニングなどが行われます。治療を行えば歯の喪失を防ぐことができます。予防には日頃のブラッシングが重要です。
歯周病には、歯肉のみに炎症が生じる歯肉炎と、歯肉だけでなく他の歯周組織(セメント質、歯根膜、歯槽骨)にも炎症が及ぶ歯周炎などがあります。歯肉炎は、歯垢(プラーク)を主要因とするプラーク性歯肉炎、非プラーク性歯肉病変、歯肉増殖に分類されますが、最も頻度が高いのはプラーク性歯肉炎です。歯周炎は、重症度と拡がりによりステージⅠ~Ⅳに、また進行リスクによりグレードA~Cに分類されます。プラーク性歯肉炎や歯周炎は歯垢に含まれている細菌によって惹起される歯肉の炎症で、歯肉が腫れたり赤くなったりして痛みや出血も起きますが、歯を支えている歯周組織には病変は及びません。一方、歯周炎では歯肉だけでなく歯周組織にまで炎症が及び、これらの組織の破壊が生じます。最終的には歯の喪失につながります。歯周病は単に歯周を病変とする疾患ではなく、誤嚥性肺炎、感染性心内膜炎などの直接的な原因となります。また糖尿病、動脈硬化症、関節リウマチなどの全身性疾患の発症や進展に影響 を与えるとされています。日本における歯周病の有病率は年齢とともに上昇し、中年以降では80%以上の高頻度でみられます。

東京大学名誉教授 山下直秀
