骨粗しょう症
osteoporosis
骨粗しょう症は「低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患」と定義されます。更年期以降の女性に好発します。原発性と続発性があり、原発性は原因疾患がなくホルモンの低下、加齢などによるものです。続発性は、何らかの疾患、薬剤投与などにより生じます。初期には無症状ですが、進行すると骨の変形や圧迫骨折などにより体形の変化、身長の短縮、腰・背部痛が出現します。診断には骨密度の測定が行われ、DXA(デキサ)法がよく使われます。治療の基本は、食事療法、運動療法、薬物療法です。骨粗しょう症による腰椎の圧迫骨折や大腿骨頸部骨折は生活の質(QOL)を低下させ、また内臓疾患の頻度を増加させることにより予後を悪化させます。よって適切な治療が必要です。予防としては過度な肥満や痩せの防止、運動、適切な食事・栄養の摂取などがあげられます。
私たちの体の中にある骨は、造骨細胞という骨を作る細胞と、破骨細胞という骨を溶解する細胞の働きによって毎日作り替えられています。造骨細胞による骨の形成と破骨細胞による骨の吸収はバランスがとれていますが、骨の吸収の方が強くなると骨の量が少なくなります。この程度が強くなると骨の変形、痛み、骨折などが起こるようになります。骨粗しょう症の「粗」は「あらい」、「しょう(鬆)」は「す」という意味で、後者は日数が経過した野菜に「す」が入ると同義の「す」です。すなわち骨粗しょう症では骨があらく、すくったようになります。世界保険機構(WHO)は骨粗しょう症を「低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患」と定義しています。骨粗しょう症は、女性ホルモンが低下する更年期以降の女性に多く、日本では1,000万人以上の患者がいると推定されています。骨粗しょう症は生活の質の低下を引きおこし、大腿骨の骨折により寝たきりとなってしまうなど社会的にも大きな問題とな っています。

東京大学名誉教授 山下直秀
