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卵巣がん(上皮性)

ovarian-cancer

卵巣には様々な種類の細胞があり、いずれの細胞からもがんが生じるので、卵巣がんは多様です。卵巣の表層上皮由来のがんについては排卵が発症と関係し、妊娠回数が多いとこのタイプのがんの頻度は減少するとされています。遺伝性乳がん卵巣がん症候群の遺伝子異常を有している場合には、家族性に発症することがあります。卵巣がんは早期には無症状ですが、進行すると腹部の膨_や腹痛などの症状が出現します。診断には腹部超音波検査、CT、MRIなどの画像検査、血液の腫瘍マーカーの測定、細胞診などが行われます。治療は進行度に応じて主に手術と化学療法の組み合わせが選択されます。進行した場合、予後は良くありません。低用量ピルの長期服用が卵巣がんを減らすという報告があります。しかし、副作用もあるので、服用前に婦人科の先生と相談下さい。また出産回数が多いことや十分な睡眠も発症リスクを軽減する可能性があります。

卵巣は卵子を作る臓器で、子宮や卵管とともに女性の内性器に属します。卵巣には卵細胞やその元となる胚細胞以外に女性ホルモン(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)を産生する顆粒膜細胞や筴膜細胞が存在します。さらにそれらを取り巻く間質細胞や卵巣の表面を覆う表層上皮などの細胞があります。このように卵巣は多くの細胞から構成されていますが、その構成細胞のいずれからも腫瘍が発生します。卵巣の腫瘍には良性と悪性がありますが、悪性のものが卵巣がんです。また良性と悪性の境界型の腫瘍もあります。卵巣がんの日本のがんにおける死因としては、女性で第10位(2020年人口動態統計)です。

卵巣がん(上皮性)

​東京大学名誉教授 山下直秀

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