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前立腺がん

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前立腺がんは男性に好発するがんですが、年齢が高くなると頻度が増加します。ゆっくりと進行することが多く、初期は無症状ですが、次第に尿が出にくい、何度もトイレに行く、残尿感がある、といった排尿障害が出現するようになります。一部の前立腺がんは家族内発症することが知られており、また発症頻度に人種差があります。診断には血中の腫瘍マーカー(PSA)の測定、超音波ガイド下の生検、腹部超音波、CT、MRI、PETなどの画像検査が行われます。治療は進行の程度に応じて、経過観察、放射線療法、手術療法、内分泌療法のいずれか、あるいは組み合わせが選択されます。一般的に前立腺がんは進行が遅く、適切に治療すれば、遠隔転移がある場合を除き予後は良好です。家族性前立腺がんのリスクが疑われるときは40歳代から血中のPSAを測定することが望まれます。

前立腺は膀胱の下にあり直腸の前にある臓器で、男性の生殖器官の一つです。クルミ大の大きさで、精液の一部を作ります。この前立腺から発生するがんが前立腺がんです。尿道(ペニスの中を通る細い管で尿や精液を体外に運ぶ)は前立腺の中を直接通っています。このため前立腺に肥大や腫瘍が起きると、しばしば排尿の障害が最初の兆候として現れます。また進行するとリンパ節や骨などに転移をおこします。前立腺がんは年齢とともに発症頻度が高くなりますが、比較的ゆっくり進行するがんです。そのため無症状で経過することも多く、70歳以上の男性では約2~3割前後の人が前立腺がんを有しているのではないかと推測されています。

前立腺がん

​東京大学名誉教授 山下直秀

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